突然ですが、皆さんは「生命の危機」を感じたことはありますか?
僕は・・・あります・・・。
先月のことです・・・。
ちょうど、熊本が歴史的な大雪に見舞われた1月24日。
さらにその3日前、僕は納品で球磨郡のお客様Aさん宅へ向かっていました・・・。
八代市から国道を南下し球磨郡に入ると、遠くの山肌に雪が。
「おー、さすがに山は雪なんだ!」 久々の雪を見てなんとなく幸せ。。
道路にも雪が舞っていましたが積もる気配はまるでなし。
しばらく車を走らせると、タブレットのナビが国道を離れ山側へ向かって案内する。
「積もった雪が見れるかも。。」 期待に胸が躍る。山側に入っていくと路肩にほんのり積もった雪が!
「こな~ゆきぃ~♪」 ウロオボエの名曲を遠慮がちに歌ってみる。。
ナビはさらに山を登れと案内する。
少し吹雪いてきた。
辺りは真っ白。道幅もどんどん狭くなってきた。
「Aさんの家って結構山深いのね。」 ちょいビビり・・・。
今思えば、この時点でAさんに連絡すべきでした。
時速20kmほどで進む雪道は、さらに狭くなり横は崖。
日頃、雪とは無縁の世界で生きる男のクルマ。当然チェーンなんて持っているわけもなく・・・。
「さすがにこれ以上は進めない。」
ギリギリでUターンできそうな箇所を発見。
道路の真ん中に停車し、一応Aさんに電話してみる。
「ツーツーツーツー・・・・」 完全なる圏外・・・。
「連絡は後だ。とにかくまずは下山しよう!」 焦る気持ちを抑えて、ゆっくりアクセルを踏む。
やばい、動かない!タイヤがスリップしてる。
半クラッチで車を前後に揺すり、なんとかスリップ状態を脱出。
全神経を集中して慎重に慎重に、ゆっくりゆっくり。
微妙な前進・後退を繰り返す。そのたびに車がズルっと滑る。
少しでも気を抜けば崖下への転落はまぬがれない。
でももし運良く木に引っかかったとしても誰が気づいてくれるの?
「オレ、死ぬかも・・・」
死の恐怖が頭をよぎる。
5、6回切り返してようやく方向転換完了。
ローギアでゆっくりゆっくり来た道を引き返す。
雪の量が明らかに増している。
超低速にもかかわらず車が横滑りする。
慎重に逆ハンを切りながら車体を立て直す。
そんなことを繰り返しながらようやく生還。
緊張で体はガチガチ。
Aさんに連絡すると
「えっ?、雪なんか積もってないですよ。」ですって・・・。
結局、ナビの間違い。
Aさん宅は国道から数十メートルほどで、風情のある素敵なお庭にほどよく雪が舞っていました。。