ヤマハピアノコンサートグレード2022

2/13にヤマハピアノコンサートグレードを実施しました。30名の生徒さんが自分の目標レベルに向かって頑張りました。

ヤマハコンサートグレードは通常のコンクールと異なり、他人と比べることがなく自分の目標との比較になります。

~アドバイザーからの講評コメント~

【山田展子先生】

素敵な演奏を沢山聴かせて貰い有難うございました。当日迄 サポートして来られた保護者の皆様 ご指導された先生方も 無事に演奏を終えられてホッとされたと思います。お疲れ様でした。少し長い文章になりますが 今後の練習の参考になればと思います。

◆ 音を創る力のつけ方 
<想像力><創造力>を日々の生活から身につけ<心地よい感覚>を体験・体感して行く。

(子供達に分かりやすく書きますが) 例えば 学校で先生から「クラスのみんなの前でお話をして下さい!」と言われたとします。
その時 先ずは (何の話をしようかな!何を伝えようかな!)って考えて色々想像すると思います。それが、つまり作曲者の気持ちと同じです。

そして伝える声がとっも綺麗で魅力的だと、それだけでも聴いてる人達はハッ!としてすぐに耳を傾けると思います。

しかも、心地よい早さで自然な息づかいや、表情豊かにお話しされてたら話の内容も心に入って来ますよね。

その場所に有った音量だとお部屋の隅にいても心地よく人に伝わります。 
逆に、どんなに素晴らしいお話しの内容のでも、早口だったり、大声だったり、聞き取りにくい小さな声だと聴きづらくなります。

つまりピアノ♪も声(お話しするのと同じ様に)音♪の積み重ねですから、作曲者はこの曲をどんな音でどう伝えたいのだろうか‥と想像としてみる事。その上で◆その曲に有った<音創り>を大切に少しずつでいいので練習してみましょう♪

例えば、おどりをテーマにした<メヌエット>と言う題名だったらメヌエットって何だろう?から始まりますよね。
踊りと言っても、ワルツとメヌエット、ガボットではテンポや拍の捉え方も違いますし、時代によっては踊る時の着てる服や靴さえも違います。
想像だけでは出来ない時は、調べてみたり実際体を動かして踊ってみるのも一つです。
テンポはとても大切な要素ですから、先生やお母さんと一緒に動いてみるのも分かりやすくて楽しいですね。

そして「どんな音で弾こうかな? 綺麗な音出すにはどうしたらいいかな? 柔らかい音? 力強い音?」
色々 想像しながら 音を出そうとすると まず初めの音から変わって来ますよね。
すると、そこに伴う音の出し方の技術も自然と身に付いて来て、先生からの指示もよりわかる様になるでしょう。

<想像>しながら音を出す習慣は、いずれ<全体を掴む・全体を創り上げる創造力>へ発展して行きピアノだけでなく、他の芸術や勉強にも役に立ちます。

その為にも日頃から(美しい・柔らかい・優しい・強い・固い等々)触れる・感じる・耳や目を日常生活の中で沢山体験して養って行ってください。

自然界には、その物全てが含まれています。
空を見て・花を見て・色や香りや手触り等々、気持ち良くなる感覚をその時々で親子で一緒になって心から「綺麗だね~ 美しいね~」こんな何気ない会話の中から五感が育ち、言葉と合わせて音への想像力も膨らみ表現へ繋がります。

色んな音を聴き比べて、弾き比べて、テンポや大きさを変えて<心地よく感じる感覚‼>を身につける事、それを心がけるだけでも自然と魅力ある演奏へと変化して行くはずです。

そんな練習は時間も無いし、面倒かも知れません。
でも、曲全体を何回も早くさらうよりも先ずは何か一つでもいいので、ポイントを決めて練習してみる習慣♪
すると短い練習時間でも、中身の濃い練習になるかと思います。

ピアノ♪は人間の持つ五感を最大に引き出す楽器で、右脳を最高に育てる学びの楽器です。
右脳は生まれてから一番に育ち、でも年齢と共に直ぐに衰えます。右脳を育てる事は、感性や感情を豊かにして、いずれ生きる力(ストレスにも強い力)に大きく影響して行くのです。

まとめますが
◆曲を弾く事は想いを伝える事♪お話しする様な感覚で良い音を創る習慣♪
◆普段の日常生活から、五感を使って想像・創造力を広げていく♪
◆感じる力をつける事は、右脳を伸ばし続けいずれ全ての事へと役立つ♪
◆先ずは一つでいいので、練習目標を決めて音が変わって行く楽しさを体験する♪ 

文章だとかなり長くなりましたが、ピアノを学ぶ事はどれだけお子様の心身の成長に役立つか、お話しさせて貰いました。
制約の多いこの時期、音楽♪を通して心豊かに健やかに成長して行かれる事を心より願っています。

最後にこのコンサートグレード♪は、沢山の課題曲が有りますので、この機会を上手く活用し、色々な曲に触れ次へとチャレンジを続けて下さいね。

【正源司有加先生】

私達が経験したことのない、このような世の中となり、早くも2年が経ちました。先が見えない不安を抱えながらも、それまでと変わらず音楽に親しみ、今回のコンサートグレードに挑戦しようと決められた方が沢山いらしたこと、何よりも嬉しく思います。

もしかすると、久しぶりの舞台でとても緊張したという方もいらっしゃるかもしれません。たとえ、思うように練習の成果を発揮できなかったとしても、そこから多くのことを学べるはずです。この貴重な学びの機会を絶やさないようにと、細心の注意を払いながら実施してくださった有明楽器の関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

 

コンサートグレードでは、課題曲と自由曲の2曲を演奏されますが、それぞれの曲のイメージをよく感じ取り、表現しようという気持ちが伝わる演奏を沢山聴かせていただき、私にとっても、楽しいひと時となりました。

これから、段階に合わせて、より難しい曲に挑戦されていくことと思います。その際に気を付けて頂きたいのは、音の「聴き方」に関してです。

ピアノは、弦楽器や管楽器のように、一度出した音の音量を調節することができません。鍵盤に触れた瞬間の音量が一番強く、その後は段々消えていく一方です。その特徴を考えると、長い音ほど大切に響かせて楽譜に書かれた音符の長さをきちんと表現しなければいけませんし、逆に細かい音符は重くならないようにというバランスが整えば、自然な音楽になっていくと考えられます。

それにも関わらず、私達はどうしても音を出す瞬間への意識が強く、消えていく音への意識が薄くなってしまいがちです。出した音の行方(特に長い音は要注意)をしっかり聴くことで、音楽の感じ方も変わってきます。音を「聴く力」を磨くこと、ぜひ心がけてみて下さい。

曲がレベルアップするにつれて、扱う音の数が増え、手や身体のコントロールも難しくなっていきます。基本となる拍子感やフレーズ感、様々なパートの音量バランスなどに注意したうえで、多彩な音色や表情も求められるようになり・・・と、弾きながら考えなければならないことが、沢山出てきますが、すべてに通じるのは「聴く」ことです。

 

「聴く力」を育てながら、これからも色々な曲にチャレンジして、ピアノを楽しんで下さいね。また皆さんの演奏を聴かせていただける機会を心待ちにしています。

 

 

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