エレクトーンが故障した!

 

事件は教室で起こった・・・。

 

ステージアミニ音が出ないそうです!」

A教室受付のKさんから連絡が入った。

 

 

早速事件現場の状況を確認する。

ミニさん、大丈夫ですか?

 

正常

 

 

   ランプ類、画面表示、ボタンの操作 全て異常なし。

   音だけが出ない・・・。

 

 

 

 

 

このステージアミニことELB-01は、本体とペダル・スピーカーとの情報をやりとりする

コネクターとケーブルが背面に出ているため、何かの拍子に引っ掛けて抜けることがある。

そうなると音は出ない。教室では結構起こりがちな事例だ。

 

「ふふふ・・・。やはり読みどおり・・・。」

僕はすかさずミニの背後に回りこんだ。

 

 

「やはり・・・犯人はお前だ!」

 

ケーブル

 

エレクトーン背面のコネクター抜け・浮きがないか触って確認する。

 

ほーら、やっぱり抜けかかって・・・・

・・・ない!

 

 

 

 

一応、ヘッドフォンで確認する。

これで音が聞こえないとコネクター・ケーブルの不具合の可能性が残る。

 

HP

 

 

まあ、予想がはずれることもある(笑)

今回はここではないようだ。

 

 

となると アイツかアイツだな。

 

最初の予想ははずれたが、犯人は絞られた。

 

 

さあ、オペの時間だ。

 

開口

 

 

ミニのお腹をオーープン!

犯人はヘッドフォン(以下HP)などを認識するアナログジャック基盤か?

はたまた、音の信号を増幅させる「アンプ」か?

 

本来ならシグナルトレーサーで音の信号を辿ったり、テスターで電圧を測ったりするのだが

 

これがまた面倒くさい

 

しかもここは教室ミニがいっぱいある!

 

というわけで他のミニから容疑者2名(個)を拝借しそれぞれ移植してみることにした。

入れ替えてミニが正常に戻ったら、犯人はその部品ということになる。

 

左がアンプで右がHP。

部品

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで僕はある重要な手がかりを思い出した。

HPで音を聞く確認をした時、「カチッ」っていう音がしなかった。

 

HPを使用すると周りに音が聞こえなくなる仕組みって不思議ですよね。

 

実は、HPが挿し込まれると その事を認識して中で回路が切り替わって、スピーカーに信号が流れなくなる。

逆に言うと、本当は挿し込まれてなくても、誤認しちゃうとスピーカーに信号を流さない、つまり音が出ない。

HPを抜くと、今度はスピーカーに信号が戻って音が出る。こんな仕組みになっています。

そしてこの時、回路が切り替わる「カチッ」というリレー音が鳴るのです。

 

そのリレー音が鳴らなかったつまり誤認している!

 

「今度こそ逃がさない。犯人はお前だ!」

 

僕はアナログジャック基盤を取り替えた。

すると、今まで声を失っていたミニが、再び歌い始めた。。

 

                                                          文:くにひこ